気分は大農場主! カナダは最高!」
 
「ステキ!庭があるじゃん!」…これは、私の奥さんが初めて、我が家を目にした時の感嘆のことば。

 我が家、と言っても、タウンハウスのこじんまりとした2階建ての家。そこに狭いながらも庭があり、手入れしていない芝生が生い茂っている状態。農家育ちの彼女の目が輝いたのも当然。「よーし!」彼女は腕まくりをして、ガレージセールで手に入れた芝刈り機を始動。早速、表の庭の芝刈りに突進。ホレボレするような、たくましい腕さばき。眉間に寄せたしわが恐ろしくもあり、チャーミングでもあった。あまりにもすざましい集中力なので近寄れず、『君主、危きに近寄らず』で、私は家の中に引き下がって、コーヒータイム。

 しばらくして機械の音も止んだが、彼女、いっこうに家に戻らない。戸を開けて、庭を見ると、彼女が自分の刈り込んだあとを見て、かたまっている。
・・・見事としか言いようのない「トラ刈り」!。上手に刈った青々とした芝と交互に、刈り込み過ぎた白々とした太い線。これがトラ刈りの見本です、と言わんばかりの作品。

 「時が解決するから」と彼女を励ます。彼女の立ち直りの早さ、風の如し。今度は、庭にキュウリ等の作物を植えにかかった。朝、夕と欠かさず、水やり、お世話に余念がない。

 朝、先にテーブルについている私の背後からさわやかな声がする。「おはよう、元気!?」私はてっきり、いや、確信をもってこれは私への呼び掛けと思い、答えようとした。しかし、現実は厳しかった。作物のキュウリ様たちへの語り掛けだったのである。

 牧師である私の心に聖なる嫉妬の思いが走った。(聖なる嫉妬なんてないですよね。単なるやきもちでした。)

 今の彼女の顔、まさに、大農場の主人のような、生き生きとした顔になっている。4月にカナダに来て2ヶ月、少しづつ、心も体型も大陸的になってきている奥様でした。ヤレヤレ!

・・・また、参考になってしまう聖書の一言・・・
「彼女は畑をよく調べて、それを手に入れ、自分がかせいで、ぶどう畑を作り、腰に帯を強く引き締め、勇ましく腕をふるう。」 (旧約聖書 箴言 31章16、17節)

 

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