Toshiさん、カマクラをつくる!」
 
 カナダに来て早や1年とちょっと。カナダ=雪と山、のイメージでいたけれど、カルガリー市内にはあまり積もってくれない。

 出身が鹿児島県だけに、雪に対するあこがれは異常とも思えるほどである。小学校の頃、雪が降って奇跡的に積もったりすると、授業は中止、全員外に出て雪合戦。雪玉の標的は、日頃何らかの思いの積もっている教師様へ当然集中する。それがまた、面白い。全員、スカッとさわやかな顔で、次の授業へと臨むことができたことを昨日のように思い出した。

 だから、この年齢(?)になっても、雪が降ってくると自然と胸の高鳴りを覚える。先日のカルガリーの大雪の時も、窓の外の降りしきる雪を見ながら、次々と想い出しては、出てくる情景の1コマ1コマを味わっていた。

 当時自由に伐採できた竹を切ってきて、ソリの長さに切る。縦に切り、先を焚き火の火で暖めながら、曲げてゆく。ミカン箱の底に釘で打ち付けて、一人乗りのソリの出来上がり。それに子供5、6人が乗って(ギネスもの)斜面を急降下。ソリの原型が無くなって、日の暮れるまで楽しんだものだ。

 そこで、思った。「当時、雪の量が少なくて、カマクラがどうしてもできなかった。今なら、できる。夢がかなうぜ。やるなら今だ、今しかない。」

 条件は整っていた。まず、そういう幼稚な発想に反旗を振りかざしてくださる奥様は帰国中。作業時刻としては、薄暗く、近所様にも不信がられない早朝。スコップは「使ってくれ」とでも言いたげに、目の前に置いてある。

 防寒服を着こんで、作業開始。目標を描いてやる作業は楽しいし、すこぶるはかどる。雪質が最高なので、軽く運びやすい。こんな熱心さを仕事にも・・・と思いつつ、スコップで注意深く、入り口のための穴をあける。パウダーなので素直にサクッと穴ができる。性格の良い雪!。

 一息ついて、完成を祝って、小声でバンザイ。「日本の子供達にも見せたいなあ。」
できたばかりの作品をなでつつしゃがみこんで入り口から入る。

 小さな空間で「ここにキャンドルを、ここにコンロ引いて来て餅焼こうかな!」と思った瞬間、目の前が真っ白に・・・。そうです、なだれ現象。一瞬にして消えた夢の世界を前にして、何と性格の悪い雪だっ!と反応の無い雪に向かってぼやく。

 でも、心底雪が大好きなToshiでした。

<P.S.>
 話はこれで終わらず、今回のことに懲りず、再挑戦して今度は水を注いで固めているところです。
(きっと、Toshiは奥さんが帰国し、寂しいんでしょうね・・・)

・・・聖書の中の参考になる一言・・・
 「また、わたしのこれらのことばを聞いてそれを行なわない者はみな、砂の上に自分の家を建てた愚かな人に比べることができます。」
(新約聖書 マタイ7:26)

 

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