ストレートと変化球」
 
 カナダ滞在2年目に入ろうとする私の奥様(以降カミサン)が今年もまた、春から夏にかけて、庭の手入れに張り切っている。スーパーから花を買って来ては、土に語りかけながら大切に大切に植えている。「土には優しいんだなぁ!」と思っても、口には出せない。その甲斐あって、見事にきれいな花が咲き誇っている。

 そう言えば、結婚して20数年間、庭のある生活をしたことがなかった。カミサンはとくに、田舎(私と同じ鹿児島ながら、もっと、さらに田舎地方)育ちで、毎日、土を相手に、ある時にはミカンを奪いに来る盗賊猿どもを撃退しながらの自然味溢れる生活の経験者。従って、今のカナダでの生活は合っているんではないだろうか(夏に限って)、と思う今日この頃。また、性格的にもどちらかと言うとストレートなカミサンには、こちらがフィットしているようである。

 私たち、結婚生活23年になるが、こんなに性格の丸反対のものがよく今まで一緒にやってきたなぁ、イエス・キリストの復活の奇跡に次ぐミラクルなんじゃないかといつも思っている。カミサンは、ピッチャーにたとえると、時速160kmの剛速球、しかも、ストレートをガンガン投げるタイプ。そして、すべてがストライクで、ノックアウトの山を築き上げるタイプ。相手は再起不能。

 反対に私は、変化球タイプ。カーブ、シュート、フォーク、速度も超スロー。しかも、ノーコントロール。ガンガンとフォアーボールの山。相手は生き生き。得点の山を献上するタイプ。

 23年間、家内にストレートに「お茶っ!」と言えた経験は未だにない。「お茶っ!」と言えない私は、「のどが渇いたけど、何か潤すものがあれば、大変うれしいな。」と、ホントに自分でも驚くほどのまわりくどさ。新婚当時、家内の「もっと、ストレートにはっきりと言って!!」のリクエストに答えるべく、思い切って、「お茶っ!」と言ったのは良かったけれど、極度の緊張状態で、声が裏返ってしまった。「オチャッ!」に、家内はお腹をかかえて笑い転げていた。

 私は一生かかってもヤクザなことばは語れないないのかと真剣に悩んだ時期があったが、カミサンが「違いのワカル女」になってくれ、何とか平和を保たたせていただいていることに感謝しなきゃ、と悟りつつある今日この頃である。

 ここでカミサンにお願い。新婚時代に君のストレート要望に答えて、君が初めて作った「ロールキャベツ」に、明確に「まずい!」と言ってしまった私の勇気ある発言に抗議するかのように、23年来「ロールキャベツ」を作ってくれないのはどういうことなんだぁ。あたしゃぁ、決死の思いで、真実をストレートに語ったまでなんだぞぅ。

・・・なぜか、お役に立つ聖書のみことば・・

 「正しいことばは王たちの喜び。まっすぐに語る者は愛される。」
(旧約聖書 箴言16:13)

 

 一覧  前へ 次へ