所変われば、言葉使いも多いに変わる。」
 「Hi! Toshi」「Hi! Cliff」。ある日の挨拶である。Cliffさんは、私が大変お世話になっている先輩カナディアン牧師さん。名前で呼び合う習慣なんて全くの未体験ゾーンだった。そんな世界に入ると肩もこらず、それでいて相手に不快感を与えることもなく、とても居心地が良い。

 一方、日本での、相手を思いやる気配りから生み出されたのか、言葉の文化についてもまた、違った角度から見ることが出来、大変興味深い。

 相手を呼ぶ呼び方などは、『君、貴様、貴公、お前、あなた、あんた、おまえさん、お主、おめえ、てめえ、ワレ(関西風)、おんどれ(同)、なんじ、そち、先生、社長』などなど、何と多いことか。

 また、自分を指す言葉も、『わたし、わたくし、僕、俺、おいら、おら、てまえ、うち、あたし、あたい』、方言に至ってはまだまだあるのでは。言葉の中に尊敬、親密さの意が微妙に散りばめられている日本の文化も、大切にしてゆきたいと思う。

 また、西欧のリラックスしたムードを作り出す言葉の世界も良いところはとり入れて行きたい。

 しかし、ケースバイケースである。

 数年前、まだ私が日本の銀行に勤務していた当時、日本の銀行界の「堅い、暗い」のイメージチェンジと省エネのために、一大革命が試みられた。ノーネクタイは勿論、これからは、上司も親しく「ちゃん」付け呼称をすること、と相成りました。

 ちなみに、伊藤支店長なら「イっちゃん」、先輩の戸塚さんは、「トーちゃん」では具合が悪いので、名前のほうを取って「ユウちゃん」、新入社員の大場さんは「オっちゃん」では、19歳のOLが憤慨してしまうし、「オバちゃん」と言ったら口をきいてもらえなくなるので、彼女も名前をとって「サっちゃん」。私は名字が村仲なので、最初「ムっちゃん」だったが、怒っているような響きということで、「ムラちゃん」に名義変更。

 外回りに出かける時に、支店長様に向かって、「イっちゃん、イってきまーす。」爽快な気分である。職場の皆が、「ムラちゃん、頑張ってなァ!」、総勢20数名がバラバラに言うので、「ムラムラムラ」…盛りの付いた犬みたいなイメージで、これも、後に変更、名前を取って、「トシちゃん」に落ち着いた。全く暇な職場であったような。

 この「素晴らしい?」アイディアも、お客様からの「だらしない印象を与える。信用がなくなりそうで、預金を他行に移したくなる」などの尊いご意見ゆえに、数ヶ月で、水泡に帰してしまった。長年培った習慣などは、簡単には修正できるものではないし、良いものは良しとしておくことも学ばさせていただいた。

 言葉、思想の違いが端的にその国の文化を現している。

 というわけで、今回はいつになく堅い洞察でした。トシちゃんでも真面目に書けるんだァ。実はネタが切れてたりして!?

・・・参考になってしまう聖書の一言・・・

 「知恵であるわたし(神)は分別を住みかとする。そこには、知識と思慮とがある。」
(旧約聖書 箴言 8章12節)

 

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