One Bad news, One Good news!」
 「いつになったら、出発できるんだろうね?」

ここは、カルガリー空港。先程まで勢い良くエンジンをうならせていた機体は、先程まで勢い良くエンジンをうならせていた機体は、飛び立つ気力を失ったかのように、今、沈黙を守り続けている。不安と、旅への期待とが複雑に交錯した気持ちで、エンジンの復活音を待ち望む。深夜に近い機外は、氷点下の気温に後押しされて余計に静かに感じる。沈黙の緊張感を和らげるかのように、ソフトな声の機内アナウンスが流れる。

 「努力の甲斐も無く、エンジンは回復しませんでした。一旦、待合室にお戻りいただきます。」

英語だが、このようなお知らせだった。このとき、感心してしまった。2時間以上待たされ、また振り出しに戻るというのに乗客のほとんどが、不満の一言も口に出さなかった。中にはジョークさえ言い合って、リラックスムードを周囲に提供しておられる方の姿も目に映った。日本人、いや、自分はどうだろう。口では言えないのに「高い運賃払ってんだ。あちらでも待ってるんだ。○×○×!」と、沸点前のヤカン状態の自分との戦いに無残にも白旗を揚げそうな状況だった。

さらに待つこと2時間。先程の機内放送と同じようなアナウンス。日本人は私たち夫婦だけだったので、放送される慣れない英語を睡魔と戦いながら必死で聞いていた私の耳に「One Bad news, One Good news があります。」という放送が飛び込んできた。

 悪いニュースは、同機の回復の望みが絶たれたこと、良いニュースは、私たちのための新しい便が用意されることだった。既に4時間待たされていたが、やはり一安心した。

 しかし、話はここで一件落着などしなかった。何と、用意された機が今度は故障。さらに2時間近く待ったが、結局は翌日に出発となり、空港のホテルに宿泊となった。時刻は深夜2時を過ぎていた。この瞬間にも乗客の中には落ち着いた空気が流れていた。かえって明るい雰囲気の中で乗客はホテルにチェックイン。  

 フライトの大幅な遅れの代価は、お釣りが来るほど素晴らしいものであった。夜中の飛行の予定が日中に変更を余儀なくされたことによって、目的地ハワイのブルーの海のまぶしいばかりの光が目に飛び込んで来る結果となった。圧巻は着陸のときだった。順調に時間通りに着陸していたら決して起こらなかったはずの乗客からの大拍手! まさに、これから始まる旅の最高の前奏曲となった。

 ところで、この旅には最後にオチがあった。カルガリーに着いて、荷物を待つ。聞き慣れた内容のアナウンス。「One Bad news, One Good news」思わず、「またかぁ!!」

「一部乗客の荷物が遅れる」が悪いニュース。「次の便で届く」が良いニュース。

「一度あることは、二度…・」と思っているうちに、待ちわびること一時間、懐かしい荷物が目の前に流れて来た。拍手しながら出迎え、「逢いたかった〜。」と思わずスーツケースにハグを。終わり良ければ、すべて最高!!

<聖書の中の参考になる一言>
「神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています。」(新約聖書・ローマ人への手紙8章28節)


( 英語訳) And we know that all things work together for good to those wholove God, to those who are the called according to His purpose.


 

 

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